「また修正か……」
そんな言葉を心の中で唱えながら、今日もパソコンを開いている方は少なくないはずです。
イラスト制作の現場では「修正回数が多い問題」がよく話題になります。
SNSを見ても、
- クライアントの要望が曖昧だった
- 後出しが多すぎる
- 方向性が毎回変わる
- 担当者が増えて意見が割れる
といった話をよく見かけます。
もちろん、本当に難しいクライアントもいます。
ただ、修正が何度も発生する案件を振り返ると、実は別の共通点が見えてくることがあります。
それは「最初の認識合わせ不足」です。
修正回数が多い案件には共通点がある
修正が少ない案件と多い案件の違いは何でしょうか。
絵の上手さでしょうか。
作業スピードでしょうか。
最新の液タブでしょうか。
残念ながら液タブを買い替えても修正回数は減りません。
むしろ「新しいペンの描き味すごいな」と遊んで納期が近づく危険性があります。
実際には、制作が始まる前の情報量が大きく影響しています。
よくある修正地獄の始まり
- かわいい感じでお願いします
- ターゲットは広めです
- お任せします
- 参考は特にありません
この時点では平和です。
しかし完成後、
- もう少し大人っぽく
- やっぱり若い層向けで
- 競合っぽい雰囲気に
- もっと親しみやすく
という要望が飛んできます。
クライアントからすると「最初からイメージしていたこと」なのですが、制作者側には共有されていなかっただけなのです。
クライアントは意外と自分の要望を言語化できていない
ここで一つ大事な前提があります。
クライアントは必ずしもイラスト発注のプロではありません。
むしろ人生で数回しか発注したことがない方のほうが多いでしょう。
例えば「かわいい」という言葉ひとつ取っても、
- ゆるキャラ系
- アニメ系
- ポップ系
- 北欧風
- ミニマルデザイン
人によって想像するものはまったく違います。
つまり、
「ちゃんと伝えてくれなかった」
ではなく、
「そもそも整理できていなかった」
というケースが非常に多いのです。
修正を減らす人は最初にたくさん質問している
修正回数が少ない人ほど、実は制作前によく質問しています。
絵を描く前に、
- 誰に向けた制作物なのか
- どんな印象を与えたいのか
- 避けたい表現は何か
- 参考イメージはあるか
を細かく確認しています。
ここで30分使うと、後から3時間の修正作業を防げることがあります。
例えるなら、ラーメン屋で
「何ラーメンにしますか?」
と聞かれて、
「美味しいやつで」
と答えるようなものです。
醤油なのか、味噌なのか、豚骨なのか。
チャーシュー多めなのか、あっさりなのか。
情報が足りないまま作り始めると、完成後に
「思ってたのと違う」
が発生します。
イラスト制作も同じです。
でも毎回ヒアリングするのは大変
ここで新しい問題が発生します。
質問項目が増えるほど、ヒアリングが面倒になります。
毎回チャットで聞くと、
- 聞き忘れが発生する
- 回答が散らばる
- 過去案件を見返しづらい
- クライアントによって確認内容がバラつく
という状態になります。
気づけばSlack、メール、Chatwork、DM、Notion、メモ帳、脳内記憶に情報が分散します。
最後の「脳内記憶」は特に危険です。
人間の記憶力は思った以上に信用できません。
冷蔵庫を開けて何を取りに来たか忘れる生き物ですから。
だからヒアリングシートが重要になる
修正回数を減らしたいなら、ヒアリングを仕組み化するのがおすすめです。
あらかじめ質問項目を整理しておき、クライアントに回答してもらうだけで認識のズレを大幅に減らせます。
特にイラスト制作では、
- 制作目的
- ターゲット層
- 参考イメージ
- 使用媒体
- NG事項
- 希望納期
などを事前にまとめておくことで、後からの認識違いを防ぎやすくなります。
ヒアリングシート作成をもっと簡単にするなら
とはいえ、
「ヒアリングシートを作るのも面倒なんだよな……」
という声もよく聞きます。
実際、質問項目を考えて、フォームを作って、運用して、改善して……となると意外と時間がかかります。
そんな時に便利なのが Sheeto です。
Sheetoは、ヒアリングシートを簡単に作成・共有できるサービスです。
案件開始前の認識合わせを仕組み化できるので、後から発生する「そんなつもりじゃなかった」を減らしやすくなります。
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修正回数を減らす最短ルートは「上手く描くこと」ではない
修正回数が減らない原因を考えるとき、つい技術不足を疑ってしまいます。
しかし実際には、
「何を作るか」が決まっていない状態で描き始めること
のほうが大きな問題だったりします。
絵を描く前に認識を合わせる。
認識を合わせるためにヒアリングする。
ヒアリングを漏れなく行うために仕組みを作る。
遠回りに見えて、これが修正地獄から抜け出す一番確実な方法です。
もし最近「なぜか修正が減らない」と感じているなら、クライアントを疑う前に最初の認識合わせを見直してみると、新しい発見があるかもしれません。