「参考画像も送ってもらったし、大丈夫だろう」
そう思った案件ほど、あとで「思っていた感じと違います」が飛んでくることがあります。
しかも不思議なことに、依頼者も嘘をついているわけではありません。
参考画像を送った本人ですら、「なんか違う」と感じているのです。
今回は、なぜ参考画像をもらっても認識ズレが起こるのか、そして修正地獄を回避する方法についてお話します。
参考画像は「答え」ではなく「ヒント」でしかない
まず最初に知っておきたいのは、参考画像は設計図ではありません。
多くの場合、依頼者は参考画像を見ながら
- 雰囲気が好き
- 色味が好き
- 表情が好き
- 世界観が好き
- なんか好き
という感覚で送っています。
最後の「なんか好き」が曲者です。
依頼者本人も言語化できていないため、受け取った側は推理ゲームを始めることになります。
参考画像Aと参考画像Bが送られてきたとしても、
- 依頼者はAの色味を見ている
- イラストレーターはAの構図を見ている
- 依頼者はBの表情を見ている
- イラストレーターはBの塗り方を見ている
ということが普通に起こります。
お互い同じ画像を見ているのに、頭の中では別作品が完成しているわけです。
人間は意外と「見ていない」
少し意地悪な質問をします。
あなたが毎日使っているスマホのカメラ位置は、正確に思い出せますか?
たぶん多くの人が「あれ、どっちだったっけ」となります。
毎日見ているものですら、人間は驚くほど細部を覚えていません。
つまり依頼者が参考画像を送ったとしても、
- 髪型
- 服装
- 表情
- ポーズ
- 色味
のどれを重要視しているかは別問題なのです。
参考画像だけでは、その優先順位までは分かりません。
「かわいい」の定義が違う問題
さらに厄介なのが言葉です。
例えば依頼文にこう書かれていたとします。
「かわいい感じでお願いします」
さて、この「かわいい」は何でしょう。
- 幼いかわいさ
- アイドル的なかわいさ
- 小動物的なかわいさ
- クール寄りのかわいさ
- ゆるキャラ的なかわいさ
全部かわいいです。
日本語は便利ですが、たまに雑です。
参考画像があっても、この解釈の違いは残ります。
修正回数が多い案件ほど最初の確認が少ない
これまで多くのクリエイターと話してきて共通しているのが、
修正が多い案件ほど、スタート時の確認事項が少ないということです。
逆にスムーズな案件は、
- 用途
- ターゲット
- 使用媒体
- 避けたい表現
- 重視したいポイント
が最初から整理されています。
つまり問題は参考画像の枚数ではなく、情報の整理なのです。
よくある勘違い
参考画像を10枚もらうより、
「この画像のどこが好きなのか」を1行書いてもらう方が認識ズレは減ります。
本当に必要なのは「参考画像+理由」
理想的なのは参考画像に対して、
- 好きなポイント
- 色味が好き
- 避けたいポイント
- 等身は高すぎないでほしい
- 重視する要素
- 親しみやすさを優先したい
のような補足がある状態です。
これだけで完成イメージの解像度は一気に上がります。
逆に参考画像だけ渡されると、
「このキャラの髪型ですか?」
「色味ですか?」
「雰囲気ですか?」
「世界観ですか?」
「全部ですか?」
という脳内会議が始まります。
そして大抵、どれかを外します。
認識ズレを減らすならヒアリングを仕組み化する
案件数が増えるほど、一件ごとに聞き漏れを防ぐのは難しくなります。
そこでおすすめなのが、ヒアリング内容をテンプレート化することです。
毎回同じ項目を確認できれば、
- 聞き忘れが減る
- 認識ズレが減る
- 修正回数が減る
- やり取りの時間が減る
というメリットがあります。
依頼者側も「何を伝えればいいのか」が分かるため、結果として双方が楽になります。
イラスト依頼のヒアリングシートを選ぶだけで作成【無料・登録不要】|Sheeto
Sheetoでは、こうしたヒアリングシートを簡単に作成できます。
参考画像の提出だけで終わらず、細部まで整理して回答してもらえるため、依頼前の認識合わせがスムーズになります。
まとめ
参考画像をもらっても認識ズレが起こるのは、誰かが悪いからではありません。
人は同じ画像を見ても違う部分に注目し、違う言葉で理解し、違う完成形を想像するからです。
だからこそ必要なのは参考画像の枚数ではなく、背景情報です。
「何が好きなのか」まで共有できれば、修正回数は大きく減ります。
もし依頼時の認識ズレや修正対応に悩んでいるなら、まずはヒアリングの仕組みを見直してみてください。
参考画像より先に、認識合わせが仕事をしてくれるようになります。